「お願いっ。私達2人じゃとてもじゃないけど練習できないんだ…」
「お願いしますっ」

棗も言ってくれた。

「まぁいいじゃねぇか。女子2人だけだし、男子は全部で14人だから、1週間に1回打つ程度だって」

と、波野。

「解りました~」

渋々OKされてもなぁ…。
威智悟くんのほうを見ると、威智悟くんもノリ気じゃなかったみたい…。きっと、今まで遊び感覚だったから、強制的に決められて嫌だったんだね…。
とりあえず、このグダグダ感を、先生が居ない分、私達先輩が何とかしなきゃ!!

「よし!!じゃあサボった人は校外3周!!」

卓球部にしてはキツイ言葉のハズ!!
効果は予想通り!!皆一斉にテキパキとそれぞれの台に着いた。
でも今ので、私のイメージ、絶対悪くなったよね…。やだなぁ…。キャプテンって…。
でも、決まったからにはちゃんとこなさなきゃ!!

「よろしくお願いします…」

ペコッと威智悟くんが軽く会釈した。
可愛い…。
でも、なんか昨日と若干態度違う気がする…。てか…冷たくなってない…?
でもまぁこうやって挨拶してくれてるわけだし、私も返事しなきゃね。

「よろしくね」

私も会釈した。
そして、葭本くんの声を合図に練習が始まった。

今、威智悟くんとラリーしてる。
すっごく上手い…。
威智悟くんが上手いお陰でずっと続いてる。
楽しいなぁ。威智悟くんとずっとこうしてられたら幸せ。

そして次のメニュー。
私がピン球無くて困ってたら、態々取りに行って笑顔で渡してくれたっ!!
優しいぃ!!
そして可愛いぃ!!
見とれてしまう…。

「どうしたんすか?」

私が見とれすぎてボーッとしてると、威智悟くんが小動物のように可愛く首をかしげて、大きい瞳で私を見つめて聞いた。

「ご、ごめんっ。なんでもないよ?」

まさか見とれてたなんて言えない…。

そうしているうちに、葭本が次のメニューを言った。
早くない?
そう思って武道館にある時計を見たけど、生憎私の視力では見えない。

「威智悟くん、今何分?」

葭本が信じられない私は(笑)、威智悟くんに聞いた。

「13分です」

キャー!!この笑顔写メってもいいですかー?