間もなく会社のシフトが変わり、僕の請け負っていたルートもそれに伴って変更になった。
 夜間配送。今までとは真逆の生活。深夜十二時に出発したトラックは、朝八時に倉庫へと戻る。今度は菓子類ではなく食肉の運搬だ。回る場所も倉庫や配送センターではなくコンビニばかり。寄る箇所も増えた。
 夏本番になって、慣れない夜中の仕事に、まず身体が悲鳴を上げ始める。まったく眠れない。アパートのクーラーも言う事を聞いてくれない。窓を開けて外の風に当たろうとも、僕の疲れは癒される事がない。次第に精神まで蝕まれて行った。
 それでも容赦なく仕事の日々は続く。
「配送、ご苦労様」
「暑いねぇ……缶コーヒーある?」
 冷たい缶コーヒーを受け取って、僕はそれを一気に流し込んだ。