食事を済ませた後、祖父に案内されて連れてこられた二階には、八畳間が三つ。僕はその中で、一番日当たりのいい部屋を選んだ。
 納屋から父がその昔使っていたコンポを引っ張り出してきて、窓辺に置いた。これで殺風景な部屋にも少しは花が咲いたように見える。
 このコンポのスピーカーは父が自作したものだ。
 ストーブと炬燵《こたつ》を運び込んで、やっと居場所らしくなった。今日からここが僕の部屋だ。
 布団は僕が出払ったタイミングを見計らって祖母が毎日敷いてくれる。
 こうして僕の短い冬休みは終わりを告げた。