母さんとローズ様は顔見知りなのか?


ローズ様は「久しぶり」だと言った。



「リリアとは古い付き合いなの。聞いてなかった?」

『はい』



ローズ様は俺の表情から何を考えているのか分かったんだろう。



「リリアにはよく怒られたし、色んなことを教えてもらったわ」

「リリアおばさんに怒られたことがあるんですか!?」



思わず口を開いたエレナはまずいと思ったのか慌てて両手で口を塞いだ。


でもローズ様は気にしていないようで、クスクス笑っている。



「そうなの。リリアにはとても感謝しているし、私にとってとても大切な人」

「勿体無いお言葉でございます。ローズ様、ソルの為に危険を冒してまで来てくださり、本当にありがとうございます」



母さんが深々と頭を下げると、ローズ様は「頭なんて下げないで」と言いながら母さんの肩に手を置く。


王妃だからと偉ぶったところがないのは、きっとローズ様の人柄なのだろうと思った。