月夜の太陽

いきなりエレナに抱きしめられ、驚いた。


エレナの体はお酒のせいでほんのり熱を帯びていた。


私を抱きしめたまま動かなくなってしまった。



「…エレナ?気持ち悪いの?」

「違うよぉ~嬉しいの」

「嬉しい?」

「そう、こぉんなに可愛くていい子がソルのことを想ってくれて」



エレナの言葉が不思議で堪らなかった。


私だけじゃなくて、ソルに想いを寄せている女の子はたくさんいるはずなのに。



「ソルのことを想ってる子なら他にもいるよ」

「他の子じゃソルの心を包んであげられない。でも、ルナならできるんじゃ…ない…かって……」

「それ、どういうこと?」

「…………」



意味深なことを言うだけ言って、エレナは私に抱きついたまま眠ってしまった。


いったい…どういう意味だろう。