今日の主役エレナとフィズさんを囲み、乾杯と共に一気に騒がしくなるお店。


エレナたちはみんなから話しかけられていて忙しそう。


ソルはいつもの調子でマイペースだ。


今日は少し頑張って自分からソルの手を握ってみた。


ソルも握り返してくれて、嬉しくて顔が緩んでしまった。



『いつまでここの生活を続けるきだよ』

「どうしてこんなにおめでたい日にそんな話するのよ」

『中々話す暇がないからな』

「…もう少し」



サハルドは私の答えに納得がいかないような顔をする。


確かにサハルドは早くお城の生活に戻りたいよね。


私と違って好きで城下町にいるわけじゃないから。


でもなんだか目的がずれてきちゃったから、サハルドに対して申し訳ない気持ちが日に日に増していく。


かと言って、本当のことを話すのも恥ずかしいし、反対されそう。