私の首元にはピンクの石で作られたハートが光る。



「ピンクと赤どっちの色にしようかソルに決めてもらおうと思ったときに、はぐれちゃったことに気が付いたんだ」

『ルナは赤よりピンクって感じがする』

「どうして?」

『雰囲気が柔らかい…からかな』



いつもパーティーとかではツンとしてるし、顔や性格もお父様に似ているからか、柔らかいなんて言われたのは初めてだった。


私がソルの前で自然体でいられるのは、ソルが私の本当の姿を知らないからかな?


本当のことを知られてしまったら私はもうソルと一緒に過ごすことはできない。


嘘をつき続けなければいけないのは辛い。


でも、一緒にいられなくなることの方がもっと辛い…そう思った。



『そろそろ店に戻るぞ』

「うん」



立ち上がって歩き出すソルはもう手は握ってくれなかった。


さっき繋いでくれていた右手を見ると、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。