月夜の太陽

人ごみの中ソルを探すのは大変で、人を避けるのに精一杯だった。


ソル…。


周りを見渡しても知らない風景に知らない人ばかり。


だんだんなんとも言えない不安に襲われ、なんだか泣きそうになってきてしまった。


不安を掻き消すように、早くソルに会いたくて走ってソルを探した。



「ごめんなさい!!」



走っていると誰かにぶつかってしまい、私は急いで頭を下げ謝った。


ソルを探すためまた走り出した時に、ぶつかった相手とすれ違った。


この匂い…。


知っている匂いがしたような気がして振り返ると、ぶつかった相手も私の方を見ていた。


その人は上着のフードを被っているため顔が見えない。


体格からして男性よね。


ここに知ってる人がいるはずないわよね。


私は再び前を向き、走り出した。