月夜の太陽

ルナは左手を右手に乗せ、ギュッと握り締める周りを見渡し、何かを覚悟したような強い眼シエル様に向けた。



「私もロナウドと一緒に牢に入ります」

『ルナッッ!!何を馬鹿な事を言っているんだッッ!!今の言葉を撤回するんだッッッ!!!!』



俺は状況がよく分からなかった。


牢って……一体何の話だ……俺の知らないところで何が起きたんだ…………。



「私はロナウドを殺せない……かと言って自分自身を殺す自信もない。一緒に牢に入ったら少しは気がまぎれると思わない?お互いね」

『そんなの……ダメだ……。君は幸せになるべきだ。君は私に巻き込まれてしまっただけなのだから…………』

「それを言うなら貴方も同じよ。ただ巻き込まれただけ」



無意識の内にルナの腰を強く抱き寄せてしまっていたのか、ルナは俺の手に自分の手を重ね擦り寄るように体を重ねてきた。


俺の不安と取り除こうとしてくれているようだ。


目の前にいるシエル様は頭を抱え、俯いている。


少し肩を震わせているようにも見える。


怒りが爆発しようとしているのかもしれない……。