月夜の太陽

険しい顔をしたリオはルナの腕を掴み引き寄せた。



『城中探してもいないからここだと思った!!勝手に城の外に出るなんて何考えてるんだッッ!!それもこんな日に!!城中大騒ぎだッッ!!!!!』

「ごめッッ……なさい…………」



こんなに声を荒げて怒りを露にしているリオをはじめて見た。


緊迫した空気が漂い、リオの体からは怒りがひしひしと伝わってくる。



『今回の件ばかりはいくら僕でも庇いきれない』

『シエル様は?』

『それはそれは今までに見たことがないくらいの形相で怒ってるよ。父様が自ら連れ戻しに行くって言い張ったくらいだ』



そんなシエル様がここに姿を現していたら、もっと酷い空気に包まれていただろう。


でも、城に戻ればルナは罰を受ける。


シエル様のことだから違うとは思いたいが、まだ受けていない罰と合わせて辛い罰を強いられるかもしれない。



『リリアさん、父がソルも城に連れて来るようにとの事なので、ソルをお借りしてもいいですか?』

「構わないよ。よく事情は分からないけれど、ソルの事は解決するまで預けるよ」

『すみません、ご迷惑をおかけして……みなさんもお楽しみのところ本当に申し訳ないです』



リオが客たちに深く頭を下げている姿をルナは涙を流しながら見詰めていた。