月夜の太陽

*****



『ソル!!こっちにビールを2つくれ』

『こっちにも頼むっっ!!』

『あぁ』



店の中は外よりも賑わっている。


みんな酒が進み、顔を真っ赤にして笑っている奴、大声で喋っている奴、泣いている奴、とにかくいろんな奴がいる。


母さんのお陰か、この店で暴れるような客はいない。


今日はルナとロナウドさんの婚前パーティーが城で催される。


だけど街の住人はそんなことが行われることを誰一人知らないようだ。



『はい』

『最近思うんだけどよ、お前雰囲気が柔らかくなったな』

『気のせいだろ』

『口は相変わらずだけどな』



客たちは豪快に笑いながらそう口にする。


今の俺があるのはルナのお陰だ。


ルナだけじゃなく、城に住むみんなのお陰でもあるかもしれない。