月夜の太陽

ドアがノックされロナウドが姿を現した。


黒のタキシードに身を包み、ただ歩いているだけなのに普段よりも優雅に見える。


ロナウドが微笑みラキに目配せすると、ラキは頭を下げ静かに部屋を出て行ってしまった。



『今日は一段と綺麗だね』

「ありがとう。貴方もとっても素敵よ」



手を引かれるまま立ち上がり、私たちは並んでソファーへ腰掛けた。


ロナウドが昨日のプレゼントの箱を手に取り、私の膝の上にゆっくりのせた。



「何が入ってるのかしら、とっても楽しみだわ」



私の言葉に彼はただ微笑むだけだった。


箱の形からしてネックレスかしら?


今つけているイヤリングに合うものかもしれない。


綺麗に包装された紙やリボンを丁寧に解き、蓋を開けると中にはシンプルできらりと光る銀色のナイフが入っていた。


私がどう捉えていいのか分からず困惑していると、ロナウドが口を開いた。



『どちらにしても君は苦しむだろう。だけど、苦しむ道が2つあるならどちらにするか選んで欲しい』

「何を言っているのか分からないわ」