「何しに来たの」
『明日だろ……婚前パーティー』
「えぇ、お祝いの言葉でも言いに来てくれたの?」
彼の腕に包まれ胸に顔を埋めたまま暫くの間沈黙が続いた。
このままこの腕の中にいたら私をどこか遠くへ連れ去って……って言ってしまいそうで、両手で彼の胸板を押し私は視線を落としたまま一歩後ろへ下がった。
そのまま顔を見ずに少し離れた場所にある抽斗へと足を進めた。
抽斗の奥から鍵のかかった箱を取り出し、ソルに差し出した。
『…………』
「もらったハートのネックレスが入ってるわ。もう、私には必要ないものだから返すわね。鍵はなくしてしまったから、壊して開けるかこのまま捨ててちょうだい」
手を伸ばした彼は箱を受け取るのではなく、両腕を私の腰に回しグッと抱き寄せた。
驚きのあまり顔を上げると縮まった距離のせいで直ぐ目の前には彼の顔があった。
背けようとしたが彼はそれを許してはくれなかった。
唇に触れた柔らかい感触が全身に伝わり、麻痺したように体に力が入らなくて、手に持っていた箱が床へと転げ落ちる。
『お前が誰と一緒になろうと俺は命尽きるまでお前を愛し続ける。それだけ伝えておきたかった』
憂いを帯びた瞳でそう告げた彼は静かに私から体を離すと窓から姿を消した。
私は唇に触れその場に崩れるように座り込み声を押し殺し涙を流した。
私も死ぬまで貴方を愛してる……貴方だけを…………。
『明日だろ……婚前パーティー』
「えぇ、お祝いの言葉でも言いに来てくれたの?」
彼の腕に包まれ胸に顔を埋めたまま暫くの間沈黙が続いた。
このままこの腕の中にいたら私をどこか遠くへ連れ去って……って言ってしまいそうで、両手で彼の胸板を押し私は視線を落としたまま一歩後ろへ下がった。
そのまま顔を見ずに少し離れた場所にある抽斗へと足を進めた。
抽斗の奥から鍵のかかった箱を取り出し、ソルに差し出した。
『…………』
「もらったハートのネックレスが入ってるわ。もう、私には必要ないものだから返すわね。鍵はなくしてしまったから、壊して開けるかこのまま捨ててちょうだい」
手を伸ばした彼は箱を受け取るのではなく、両腕を私の腰に回しグッと抱き寄せた。
驚きのあまり顔を上げると縮まった距離のせいで直ぐ目の前には彼の顔があった。
背けようとしたが彼はそれを許してはくれなかった。
唇に触れた柔らかい感触が全身に伝わり、麻痺したように体に力が入らなくて、手に持っていた箱が床へと転げ落ちる。
『お前が誰と一緒になろうと俺は命尽きるまでお前を愛し続ける。それだけ伝えておきたかった』
憂いを帯びた瞳でそう告げた彼は静かに私から体を離すと窓から姿を消した。
私は唇に触れその場に崩れるように座り込み声を押し殺し涙を流した。
私も死ぬまで貴方を愛してる……貴方だけを…………。


