『ルナ、私はお前に幸せになってもらいたい。私だけではなくローズもリオも同じように思っているだろう』



そう言ったお父様の口調はしっかりとしているのに柔らかくて泣いてしまいそうだった。


私は一息おいて、笑って首をふった。



「私は幸せだよ。ロナウドのことも好きだし、結婚したら今の幸せと合わせてもっと幸せになれると思う」

『ロナウドに対しての好きは愛しているではないのだろう』

「それでも好きには変わりないもの」

『ソルと結ばれることがお前の幸せではないのか』

「ソルといると幸福感に満たされるほど幸せ。でもだからと言ってそこにしか幸せがないわけじゃない」



腕を上にあげ背伸びをしてそのままソファーの背もたれへ倒れるように体を預けた。


天井にはキラキラ輝くシャンデリアがぶら下がっている。


今思えばここは仕事部屋にしては豪華だなと思うと口元が緩んだ。



「私はどんな罰を受ければいいの?」

『まだ考えていないよ。決まり次第直ぐに知らせる』

「考えるだけで心臓がドキドキしちゃって凄く心臓に悪いの。だから出来るだけ早めにお願いしたいわ」

『とりあえず目の前の仕事を終わらせたら考えるとしよう』

「あっ仕事の途中だったよね……ごめんなさい。じゃあ、諸々宜しくお願いします」



部屋を出ようとした時お父様から名前を呼ばれ引き止められたが、これ以上話をすれば決心が鈍りそうだった為、私は振り返り笑顔を向け早々に部屋を後にした。