私が1人で部屋に戻るとお母様たちは不思議そうな表情を浮かべたが、まだ話は終わりそうにないみたいだと伝えると、しょうがない人たちねと言う顔をして納得してくれた。


3人で他愛もない話を暫くしていると、いつもと変わらぬ様子のお父様とロナウドが部屋に入ってきた。


私もいつも通りの自分を演じ、その場をやり過ごした。


だけど食事が終わってからのお茶を飲みながらの談笑はやり過ごす自信がなかった為、ソルのところに行く事を口実に1人そそくさと部屋を出てしまった。


ソルの眠る部屋に入ると真っ暗だったが、電気で明々と部屋を照らす気分にはなれず、ソルの枕元にあるスタンドライトだけを静かに点けた。


間接照明がソルの顔に当たり、いつもの透き通るような白さではなく健康的な肌に見える。


椅子に座ったまま前のめりになり、ベッドに顔を埋めソルの手を握った。


凄く落ち着く………。


次泣くときは嬉し泣きだと決めたはずなのに、どうすればいいのか分からず訳も分からない感情で今にも泣いてしまいそうだ。



『泣いてるの?』



誰かが部屋に入ってきている事に気付かず、その声に驚くがまま振り返るとそこには大切な双子の片割れ、リオが優しい笑みを零して立っていた。