『そちらの返事待ちの状態でまだ正式には婚約の解消は出来ていない。いつ頃解消することになりそうだ』

『城に戻り次第重役を集めて会議をします。ですのでもう間もなく正式に解消したとの通達が出来るかと思います』

『そうか、私に出来ることがあれば何でも言ってくれ』

『ありがとうございます。ですが、そのお言葉だけで十分です』



そこまで話を聞いた私は、ふらつく足でお母様たちがいる部屋へと向かった。


部屋に着くまでにしっかりしなきゃ。


こんな状態で部屋に入ったら怪しまれる………。


盗み聞きなんてするものじゃないと、アリアさんの時に反省して学んだはずなのにどうしてまた繰り返してしまったんだろう。


でも今話を聞かなかったら私はロナウドを犠牲に自分だけが幸せになるところだった。


私とソルは結ばれない運命なの?


せっかく……せっかくソルと心も体も一つになれたのに、ソルは目を覚まさない…いつ目覚めるかも分からない。


たとえ目を覚ましたとしても結ばれることはない……それなら、このまま目を覚まさないでいてくれたらずっと一緒にいられる。


ッッ私…今、酷いことを…………なんて醜いのッッ……………。


本当…自分が嫌になる…………。