うーん…と1人頭を捻るように考えていると、余計混乱するようなことをお父様が口にした。



『ルナと婚約を解消しても、お前は愛する者に気持ちを伝えることは許されないのでは?』

『元々気持ちを伝える度胸もなかったんですから、私の事はいいんです。ルナが幸せになってくれればそれでいいです』

『どうしても重役共を説得することはできないのか』

『祖父もレバンナさんもアリアさん、母も手を尽くしてはくれていますが恐らく無理でしょう』



婚約の件でロナウドは何か問題を抱えているの?


でも…一体何を…………。



『不祥事を立て続けに起こしてしまった上に、私とルナの婚約解消で重役の方々は酷くご立腹です。このままでは我が王室から去ってしまうでしょう。そうなってしまえば我が国で混乱が起こってしまいます。ですが、誰かが責任を取ればお怒りを静めて下さるそうです。立場を考えると私が適任でしょう』

『どう責任を取れと?』

『難しいことではありません。死ぬまで牢で生活をするだけです……誰とも面会は許されないそうですが』

『ルナにこの事は?』

『もう私のことで優しいルナの心を縛りたくありません。どうか、ここだけの話にして下さい』



『分かった』と言ったお父様の声が重たく頭の中で響いている。


そんな……私と一緒にならなければロナウドは全責任を負って牢に送られてしまう。


この永遠とも言える時間をたった一人で冷たく寂しい牢で過ごすというの?