壁に取り付けられた蝋燭の明かりに照らされた廊下を音を立てずに静かに歩いた。
不安な気持ちとは裏腹に、子供のときの事を思い出していた。
執務室で仕事をしているお父様を驚かそうと躍起になっていたときも、こんな感じで息を潜め足を進めていたな。
その時の感覚を取り戻すかのように私は気配を消し、息を潜め忍び足で執務室へ向かった。
私だってあれからだいぶ成長したし、今回は上手くいきそう。
ロナウドと難しい話をしているなら尚更これでビックリさせて場を和ませられればなと思った。
不安とドキドキを胸に無事執務室の前に辿り着き、ドアを開けようとした時ドアにほんの少し隙間が出来ていることに気が付いた。
運がいいかもしれない。
ドアを開ける音が一番の難関になるため、開いててくれればドアノブを捻る必要もない為気付かれる確立が低くなる。
ドアに触れようとしたとき、中から気になる言葉が聞こえてきて私は動きを止めてしまった。
『ルナとの婚約の件だが、本当にいいのか』
『はい。私にもルナにもそれぞれ愛する者がおりますので解消するのが一番だと思います』
婚約はとっくに解消できているんじゃないの?
でも今の話し方を聞く限りでは、まだ婚約解消はされていないように聞こえた。
不安な気持ちとは裏腹に、子供のときの事を思い出していた。
執務室で仕事をしているお父様を驚かそうと躍起になっていたときも、こんな感じで息を潜め足を進めていたな。
その時の感覚を取り戻すかのように私は気配を消し、息を潜め忍び足で執務室へ向かった。
私だってあれからだいぶ成長したし、今回は上手くいきそう。
ロナウドと難しい話をしているなら尚更これでビックリさせて場を和ませられればなと思った。
不安とドキドキを胸に無事執務室の前に辿り着き、ドアを開けようとした時ドアにほんの少し隙間が出来ていることに気が付いた。
運がいいかもしれない。
ドアを開ける音が一番の難関になるため、開いててくれればドアノブを捻る必要もない為気付かれる確立が低くなる。
ドアに触れようとしたとき、中から気になる言葉が聞こえてきて私は動きを止めてしまった。
『ルナとの婚約の件だが、本当にいいのか』
『はい。私にもルナにもそれぞれ愛する者がおりますので解消するのが一番だと思います』
婚約はとっくに解消できているんじゃないの?
でも今の話し方を聞く限りでは、まだ婚約解消はされていないように聞こえた。


