食卓についたはいいが、目の前には水の入ったグラスが置かれているだけで、食べ物は何一つ置かれていない。


この状態でもう30分は経っただろうか………。



『父様とロナウドさんまだ話し終わらないのかな?』

「そろそろ終わっても可笑しくないんだけど……盛り上がってるのかしら?」

『盛り上がるような話題なんてなさそうだけどね』



そう、お父様とロナウドが姿を現さないため私たちはお預け状態だ。


お母様は呑気なことを言っているが、2人が今どんな話をしているのか知らないんだろうか。


盛り上がっているどころか酷い罰を言い渡されているのかもしれない。


嫌な想像だけがどんどん膨らみ、落ち着かない気持ちになる。



「ねぇルナ、2人を呼んできてくれない?」

「私が?」

「私が行くよりもルナが行った方がシエルが喜ぶと思うから」



2人の話が長引いている事に対して私が不安を抱いている事をお母様は分かっているのかもしれない。


お母様のさりげない優しさ、真似したくても中々難しいものだなといつも思わされる。


私は席を立ち2人がいる執務室へと向かった。