更に月日は流れ、二月が過ぎようとしていた。


ロナウドとの婚約解消の話はお父様とお母様も承諾してくれ、ロナウドも同意のもと私たちの婚約は白紙に戻されることになった。


そんなロナウドとも今では友達として仲良くしているため、たまに城を訪れてくれる。


そしてその時は必ずソルの部屋を訪問してくれる。



『いつ見ても気持ちよさそうな顔をして眠っている』

「周りでは色んな人たちが心配してるというのに、呑気よね」

『こんな顔をしてるところは寝ている時だけだろうね。いつも鋭い目をしていたから』




ソルのベッド脇の椅子に腰掛け、ロナウドはクスクス笑いながらソルの顔を眺めている。


私もその隣でソルの頬に触れながら微笑んだ。



「ビリー様は?」

『相変わらずのんびりとボーっとして過ごしているよ。だけど、昔に戻ったようで私たちは幸せに過ごせている……ソルのお陰だ』

「一体どんな魔法を使ったのかしらね。それとも奇跡が起こったのかな……」

『違うよ、奇跡なんて言葉で済ませてしまったらソルに申し訳ない』



確かにそうだ。


自分の身を挺してまでビリー様の魂を救ってくれたのに、奇跡の一言で終わらせてしまってはソルに怒られてしまいそうだ。