「…怒ってる?」

『これが怒ってないように見えるか?』

「…見えない」

『お前はいつもそうだ。1人で何でもかんでもすぐ決めちまう』

「…ごめん」



深いため息をつかれ、私の気分は余計落ち込む。


私の護衛を任されてる身としては困るよね。


お父様から直接頼まれてるわけだし。



「そんなにルナのことが心配なの?」

『ルナのご両親から常に傍に付いてて欲しいとお願いされてる』

「そうなの!?ルナってやっぱりお嬢様だったんだ」

「やっぱり?」



私が不思議そうな顔をしているとエレナが笑いながら説明をしてくれた。



「態度がでかいとか、高飛車だとかじゃないよ。ただ、肌が凄く綺麗だし、いい匂いがするし、なにより手が綺麗で家事や水仕事をしていない証拠だよ。あと礼儀正しいとこかな」

「エレナの言うとおり。恥ずかしいけど私は何もしたことがない…だから今から色々と勉強するの」

「あたしも良かったら手助けするよ!!」

「ありがとう」