レイドは何故か剣を腰に挿している鞘に戻すと、自分の掌を眺め始めた。


手を握り締めたり広げたり、何かを掌に感じているかのように。


傍から見れば今が攻撃の機会だと思うだろうが、どこにも隙が見当たらなかった。


それどころか今下手に手を出せば返り討ちにされる……そんな気がした。


レイドはゆっくりと両手を上げその掌の中には光るものが見えた。


3、4m離れた俺目掛けて腕を振り下ろし、急いで奴の攻撃をかわすと衝撃で地面が揺れ、地面には円形の凹みができていた。


一発で終わらせる気はないらしく、攻撃の手を休めることなくレイドは俺目掛けていくつもの光る玉をぶつける様に投げてきた。


遊ばれていることはよく分かっているが、悔しいことに俺はそれを避けるので精一杯でこちらから攻撃することができなかった。


暫く避け続けていると攻撃が止み、俺は足を止めた。


周りを見渡すと砂が舞っているせいで全く状況が分からなくなっていて、今になって自分の失態に気が付いた。


当たり前の様にレイドは気配をけしていて、俺も勿論消してはいるがおれの動きをよんでいたレイドは俺の位置を知っているに違いない。


だけど、俺は奴の位置が全然分からない。