『キングに似ているな。何者だ』

『キングは俺の父親だ』

『父親だと?』



頭を下に向け肩を震わせながら笑うレイドの声が段々と大きくなり、俺は不愉快な気分だ。


再び俺の方に目を向けたレイドの目は血の様に赤く染まり、不敵に笑ってみせた。



『ビンセント、ローズには手を出すな。娘は好きにしろ』

『承知致しました』



ビンセントと呼ばれた男の言葉が合図かの様に、隣にいたはずのシエル様は気付けばビンセントに剣を振り落とし、ビンセントは自分の剣で受け止めていた。


いつの間に………。



『随分余裕だな、余所見をしている暇があるのか』

『ッッ』



レイドの方に顔を向けると、俺に標準を合わせているかのように手をかざし、光が放出された。


後ろにはルナとローズ様がいたが、結界を二重に張っている為俺はそのまま避けレイドの元へ急いだ。


ここにあいつを近付けさせるわけにはいかない。


絶対に。