デトイス国からは全てウェルヴィアの意志に従うという言葉を頂いているらしく、後はこちらのタイミングで行動を起こすだけだ。


今まで普通の喧嘩なら数え切れないほどしてきた。


だけど、今回は子供の喧嘩とは訳が違う。


今までは周りの人たちに助けられて何とか生き延びてきたが、次は自分で戦い自分の命は自分で守らなければならない。


自分の命だけではない、シエル様がフォローしてくれるとはいえ、ルナの事も守らなければという思いは捨てられない。


ルナにもしものことがあれば俺は生きていけない……あの笑顔も愛らしい仕草も息遣いも、全て失いたくない……失うわけにはいかない。


俺の腕に頭を乗せ、気持ちよさそうに規則正しい寝息を立てているルナの額にそっと唇を落とした。


幸せそうな顔して寝ているルナが可愛くて、俺は1人で笑みを零した。


もう少しだ……今回の件が解決すればきっと2人の幸せが待ってる。


終わったら……難しいことなんて考えずに、楽しくて幸せな未来だけを見て生きていこう。



『ルナ、愛してる』



ルナの左手の薬指にキスを落とし、抱き心地のいい体を抱きしめ今のこの幸せを噛み締めながら俺も夢の中へと落ちていった。