月夜の太陽

静かな部屋の中では、私たちの声や息づかいが響いていて、それは決して大きな音ではないはずなのにやけに耳に入ってくるような気がして恥ずかしかった。


聞かないようにしようとすると、次はシーツのすれる音が耳についてしまう。


全てが恥ずかしくて、出来ることなら顔を隠してしまいたい。


だけどそれはソルの綺麗で大きな手が許してはくれないだろう。



『どうした』

「な、何…が?」

『ずっと落ち着かないみたいだ。それに顔も真っ赤だ』



分かっている筈なのにわざとそんな事を聞いてくるソルに私は眉間にシワを寄せ、精一杯不機嫌そうな顔をしてみせた。


でもそんな顔をしたところでソルには通用しないことも分かっていた。


この人はどんな私でも包み込んでしまう人だから。