町には女の子なら誰でも飛びつくような可愛い雑貨屋や、お洋服、アクセサリーのお店がたくさんあった。


お城に売りに来てくれるけど、やっぱり量には限度があるから、こんなにたくさんある中からは選べない。


でも、買い物をしにきたわけじゃないし、サハルドの目もあるから買い物するに出来ない。


残念だけど今日は買い物はなしだな…。



「ねぇ、あのお店に入ってもいい?」

『あの店で最後だぞ』



連れまわしすぎたようで、若干不機嫌なサハルド。


普段森や気分転換の散歩とかに付き合ってくれるけど、不機嫌になることってないから、よっぽど疲れさせちゃったかな?


気になったお店に足を踏み入れると、たくさんの色とりどりの石が並べられていた。



「凄ぉい…綺麗……」

「いらっしゃい。何かお探し?」

「ううん!!ただ気になって入っただけなの」

「ゆっくり見てってね」



声をかけてくれたのは黒髪を高い位置で一つ結びしている、元気のよさそうな女性だった。