息苦しさすら感じられるこの空間の中、俺は口を開いた。



『この国にいさせて下さい』

『この国に残ったとして、お前はどうするつもりだ』

『自分自身と大切な者たちを守れる力を身につけます』

『どうやって?純血の力を理解できるのは純血だけだ』



純血……。


まだ自分が純血である自覚はない。


ローズ様と出会い、自分も純血であるかもしれないとは思っていたが、いざそう言われてもまだ実感がわかない。



『正直どうすれば力を身につけられるのかも、発揮できるのかも分かりません。それで折り入ってご相談なんですが、力の使い方を教えて頂けないでしょうか』

『今から力を身に付けコントロールするのは、思っているよりも苦しく辛いものになるだろう。それに、ここにいる者たちは一度始めれば甘えなど許さない。それでもやるか?』

『やります。やらせて下さい』

『そうか』



シエル様が優しい笑みを零すと、緊迫した空気が和らいだ。


笑った顔が少しルナに似ている。



『それぞれ得意分野が違う。皆に通達しておこう、ソルをしごいてやれとな』



シエル様でもこんな悪戯顔をするんだなと思った。


こういう顔はリオにそっくりだ。