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次の日俺はある場所を訪れた。


シエル様の執務室だ。


執務室の前まで来たが、まだドアに触れられないでいる。


恐らくシエル様は俺がここにいることに気付いているだろう。


気配を読めるのだから。


そう思うとここでずっとたたずんでいるのも恥ずかしく感じ、俺はやっとの思い出ドアをノックすることが出来た。


中からはシエル様の引き締まった声が聞こえてきた。



『失礼します』

『いつ入ってくるかと思っていたよ』



口の両端を軽く上げシエル様にソファーを案内された。



『お仕事中にすみません。今いいでしょうか』

『構わないよ。案外早く決まったようだな』

『はい』



シエル様は握っていた書類を置くと、椅子に深く腰掛け話を聞く体勢をとる。


シエル様はいるだけでその場の雰囲気を柔らかくもでき、緊張感を与えることが出来る。


今は柔らかい雰囲気は一切感じられない。