ルナがいるにも関わらず、俺は外を眺めている。


そんな俺の顔を見ているルナの視線を感じる。


ルナを愛する気持ち以外全てを忘れて今すぐにでも抱きしめたい。



「ソル……私ッッあの…勝手な事してごめんなさい」

『もう、済んだ事だ』

「だけど私が決めることじゃなかったのよね…ソルの人生だもの」



確かに俺の人生だ。


だけど、俺に選ぶ権利などあるんだろうか。


母親はともかく父親は悪党だ。


ローズ様がなんと言おうと、俺にはいい奴には思えない。


そんな男の血が流れている俺がルナの傍にいるどころか、生きていてどうするというんだ。



「私は今でもソルが好き…愛してる」

『自分が何を言っているのか分かってるのか!?それもこんな時に!!』

「分かってるッッそれにこんな時だからこそちゃんと伝えておきたいのッッ!!」



ルナは体を震わせ苦しそうな顔をして涙を流していた。


苦しんでいるのは俺だけじゃない……だけど………。


俺は目を伏せ頭を抱えた。


いくら考えても分からないし心の迷いも消えない。