月夜の太陽

今まで怖いくらい真剣な顔をしていたお母様は、いつもの優しい顔に戻った。



「貴方を生んだのはデトイス国現王妃のアリアよ」

『じゃあソルはデトイス国の王位第一継承者って事!?』

「普通ならそうなるわね。でもレバンナさんとの間に出来た子供ではなかった為に、生んだはいいが子供を殺せと言われた。それでリリアにソルを預けたのよ」



事情を知らない人は驚き過ぎて言葉にならないようだ。


無理もない。


驚く内容な上に、事情も複雑だ。



「ソルにお願いがあるんだけど、いいかしら?」

『何、でしょうか』

「帽子と眼帯を外してくれない?」

『……分かりました』



帽子を取ると肩より少し長い髪の毛が垂れ落ちた。


本当に金色の髪の毛だ……。


眼帯を外したソルの目は、片方が金色になっていた。


私は息を飲んだ。


こうなってしまったのはもしかして私のせい?