『大口を叩いても結界を張っているだけでは話にならん』

『ここにいる者たちには指一本触れさせない』



そう言ったリオの目は赤黒くなっていた。


歩こうと足を動かしたリオの腕を掴んだ。



『俺のせいでお前に危ないまねはさせられない』

『たまには体を動かさないとなまっちゃうから。それに、ソルには無理だ』

『やってみないと分からないだろ』

『相手はプロだ。これはただの喧嘩じゃないんだよ』



リオの後に続いたが、本当に結界と呼ばれるものが張られているらしく、一定の場所から進むことが出来なかった。



『エレナ、君は目を瞑っていた方がいい。体に障る』



空間が歪みに手を突っ込み出てきたリオの手には剣が掴まれていた。


リオの動きは閃光のようで、こんな場面なはずなのに見とれてしまうほどしなやかで綺麗な動きだった。


ぞろぞろと入ってきた奴らを全て一振りで片付け、あっという間に奴らは床に転がった。