仲睦まじく食事を摂っている両親を見ながら、私はお肉をナイフで切り、口に運んだ。


口を開け、後はお肉を口の中に入れるだけというところで突然窓ガラスが割れ、驚きナイフとフォークを落としてしまった。



『ローズ、ルナ2人とも下がっていろ』



お父様が私たちを庇うかのように立ち、神経を尖らせ割れた窓ガラスの辺りを慎重に見ていく。


城の周りにはお父様が強力な結界を張っているはずなのに窓ガラスが割れるなんて……。


侵入者?


いや、もしそうならとっくに襲ってきているはず……。


その時、今の緊迫した空気に似つかわしくない可愛らしい声が聞こえた。



「何?今の声……」



お母様たちは不思議そうな表情を浮かべている。


だけど、私は外の木の辺りの2つの光を見て確信した。



「ステラｯｯ!!」

『ルナ!!窓に近付いてはダメだ!!』



私はお父様の制止も聞かず、窓の外へと両手を広げた。