俺が椅子に座ると満足そうな笑みを向けられた。



『何飲む?』

『いや、大丈夫だ。それで、わざと1人で来た理由は?』

『分かってたんだ。でもそれはお店が閉まってお客さんがいなくなってから話すよ』

『最後までいる気かよ』

『今日はそのつもりで来たからね』



リオはいつも表情豊かだが、何を考えているかは読み取れない。


悟られないような表情や雰囲気を作るのが上手い奴だと思う。



「私もまぁぜてっ」

『エレナはいつも元気だね。その元気ソルに分けてあげて欲しいくらいだよ』

「ん~分けてるはずなんだけど、ソルはかなり手強い相手なのよっ」

『あはは、そうだね。僕の手にもおえなさそうだよ』



人の顔を見て更に可笑しそうに笑う二人。


エレナとリオが楽しそうに話をしていても兄貴は何も気にしてないようだ。


相手がリオだから心配をしていないんだろうと思う。