*****


店を閉める時間が近付き、客もだいぶ引いた。


残っているのは常連客だけ。


この時間はいつも男しかいないはずが、今日は女もちらほら残っている。


女たちの狙いは分かっている。



『ソル、一杯付き合ってよ』

『1人なんて珍しいな。どういう風の吹き回しだ』

『サハルドは用事があるみたいなんだ。来ないほうが良かったかな?』

『いや、別に』



女たちの視線は全てリオに注がれている。


リオは慣れているのか、気にしてないようだ。



『お客さんと飲むのはまずいの?』



中々座らない俺を見て首を傾げるリオ。


性別は違うはずなのにルナとダブって見えた。