「商人の目的は分からないの?」

『…そこまでは分からないんだ』

「じゃあ……どのくらいの頻度で出入りしているの?」

『毎日いるよ』

「えっ!?」



商人が毎日出入りするなんて…そんなの聞いたことない。


何か怪しい黒魔術でも行っているんだろうか……。



『城の裏に小さいけれど建物があるんだ』

「そうなの?気が付かなかった」

『城からは見えにくい場所に建っているからね。そこに奴らは住んでいるんだよ』

「…アリアさんやレバンナさんは反対しなかったの?」



ロナウドの苦笑いを見て、お2人は反対したんだなと思った。



『父はその建物に毎日の様に足を運んでいるよ。私たちは立ち入る事を許されていないんだ』

「それって…怪しいって言ってるのと同じことじゃない」

『そうだね…でも、結界が張られていて下手に近づくことが出来ないんだ。だから、ルナもその建物には近づかないで欲しい』

「……分かった」



これが我が家の敷地内の話であれば、私は確実に近付いていただろうなと思った。