月夜の太陽

イエラ様とお話をしていたら時間はあっという間に過ぎてしまった。


ロナウドの幼い頃の話やお花や生き物が好きな事、とにかく色んな話をした。


だけど、その話の中にビリー様が出てくることはなかった。



「せっかくゆっくりしてらしたのに長居をしてしまってすみません」

「いいえ、私の方こそ楽しくてついつい喋りすぎてしまいました。ルナ様とお話しているとシエル様とローズ様のお優しいお人柄も伝わってきますわね」

「そんな…ありがとうございます。両親が聞いたらきっと喜びます。イエラ様もロナウドから話を聞いていたよりも朗らかで優しくて素敵な方だと思いました」



私たちの様子を温かく見守るかのように、微笑みながらロナウドはただ見ていた。


イエラ様とお会いして、直にお話して余計に私も守りたいと思った。



『母上、私たちはそろそろ部屋に戻りますが、まだこちらにいらっしゃいますか?』

「えぇ、もう少しゆっくりしてから戻るわね」

『分かりました。ルナ、部屋に案内するよ』

「イエラ様、またお茶を飲みながらお話を聞かせてくださいますか?」

「えぇ、勿論ですわ」



私たちはイエラ様を温室に残し、二人で部屋へと向かった。