ロナウドは私の肩にそっと手を置き口を開いた。



『父上、そろそろルナを中へお連れしたいのですが、宜しいでしょうか?』

『あぁ、そうだな。城の中をご案内して差し上げなさい』

『はい』



肩にあった手が離れ、今度は手を握られた。


私たちなりのパフォーマンスだ。



「ビリー様、また後ほど」



私は頭を下げ手を引かれるまま足を進めた。


ラキも静かに私たちの後を付いて歩いている。


お城の中に入り、ビリー様の姿が見えなくなったところで私は口を開いた。



「先にラキを部屋に案内したいんだけど」

「私の事はお気になさらなくて大丈夫ですよ」

「ダメだよ!私はロナウドに色々中を案内してもらうから、ラキは先に休んでて」

『すぐに部屋に案内するよ』

「ロナウド王子にご案内して頂くわけには参りません。場所を教えて頂ければ1人で行きますので」



ラキはそう言うけど、ラキも初めて来たのに口頭で説明して本当にたどり着けるのかと不安になる。