執務室を出るなり、リオに腕を掴まれ近くの誰もいない部屋に連れ込まれた。



『何考えてんの!?』

「だって他に方法思いつかなかったんだもん!!」

『だからって危険すぎる!!』

「何も考えずに簡単に決めたわけじゃない。純血の姫の血がどれだけの者に狙われていて、どれだけ外が危険なのかはお母様に教えてもらってちゃんと理解してる。それでも、私はもう一度彼に会いたいのッッ!!」

『…分かったよ。ルナは一度決めると折れないからな。僕もお父様たちを説得する。でも危ない真似はしないで欲しい』

「ありがとう」



私がお父様にお願いしたのは、城下町に行き民の暮らしを体で感じ、色んな事を学びたいということ。


目的は彼を探すことだけど、城下町で色んな事を学びたいという気持ちも本気だ。


決して遊びでなんて気持ちは微塵もない。


私の気持ちがお父様たちにどれだけ伝わったかは不安だけど…。