ローズ様は両扉になっている大きな扉の前で足を止め、ゆっくりと扉を開けた。


部屋の中にはたくさんの本がびっしりと並んでいた。


壁一面に上のほうまで本で埋め尽くされている。


図書室というよりまるで図書館だ。



『凄い……』

「気になる本があれば持ち出していいからね」

『えっ、でも……』

「ここにある本は誰でも閲覧できるものなの。だから読み終えたらまた返しに来てくれればいいわ」

『ありがとうございますっ!!』



兄貴は嬉しそうに棚から本を出しパラパラとめくっている。


そんな様子をエレナはまるで自分のことのように、嬉しそうに眺めている。


そんな2人の様子をローズ様と見ていたら、部屋の中から俺たち以外の話し声がかすかに聞こえてきた。