客間に着くと、部屋の中にはお父様がいた。


リオの姿はない……。



「どうぞおかけになって」

『はい』



私とロナウド様は隣同士に座り、目の前にはお父様とお母様が座っている。



「リオは?」

「それが部屋にもどこにもいないのよ」

「…そう」



リオはロナウド様との婚約には納得していない。


口に出してそう言われたわけではないが、双子だからか昔からリオの思っていることや考えていることは良く分かる。


だから余計にリオに私の事が良く分からないと言われてしまった時は、辛くて堪らなかった。



『わざわざ足を運んでもらって申し訳ない』

『いえ、とんでもないです。お招き頂きありがとうございます』

『さっそく本題に入らせてもらうが、ルナと婚約したいと言う気持ちに嘘偽りはないか』

『はい、ございません』



本当はこんな話聞いていたくはない。


自分の話だけど、どこか別の人の話をしているようにも感じてしまう。