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リオとはギクシャクしたまま、ロナウド様が来る日がきてしまった。


何てリオに話しかければいいのか分からない。


ただ謝ったってきっと納得してくれないし、本当に謝らなければいけないのは黙っていたことに対してではない。


嘘をついていることに対してだ。


でも、嘘をついていることを話せる日は今のところ検討も付かない。



「ルナ様!せっかくロナウド様がいらっしゃいますのに、いつものドレスのままで宜しいのですか!?」

「いいの。いつもお洒落してるところしか見せたことないから、こっちの方が新鮮でしょ?」

「ルナ様が宜しいのであれば私はもう何も言いません。今のお姿も十分お綺麗ですから」

「ありがとう」



事情を何も知らないラキは、今回のロナウド様との婚約の話を心から喜んでくれている。


周りの人や自分にたくさんの嘘を重ねすぎて、一体何が本当なのか分からなくなってしまいそう。


私の心も感覚も麻痺し出している…それとも、もう麻痺してしまっているのかもしれない。