「さぁ、お茶にしましょう。せっかくラキが煎れてくれたのに冷めてしまうわ」

「うん」



ラキの煎れてくれたハーブティーは普段あまり飲まないような味だった。


でも、心がとても落ち着く。


私が何故お母様に会いに来たのかラキにも分かっていたのかもしれない。



「今日の夜はお父様も一緒に食べられるかな?」

「どうだろう…まだ忙しいみたいなのよね。どうして?」

「話したいことがあるから…今日は家族揃って食事をとりたいの」

「シエルに話してみるわね。余程の事がなければきっと時間を作ってくれるわよ」



お母様はきっと、また私がお父様に突拍子もないお願いをするんだろうと思っているんだろうな。


突拍子もない話をするにはするが、今までとは少し違う。


私だけの問題ではなく、エメラルディア家にも大きく関わる事だから。


お父様に話してしまえば、もう後戻りはできない。


違う…覚悟を決めた時から後戻りする気などない…初めて心から愛し、自分よりも大切だと想えた男性だもの。


私に出来る全てをかけてソルを守りたい。