相手に血を飲まれるだけの時は、これから好きになれるように努力するという意味で、お互いの血を飲み合うのは両想いだった時…。



今度は私がソルの頬に触れ、顔を首筋へと近付けた。


緊張しすぎて手が震えてしまう。


私の震える手の上にソルの大きな手が重なった。



『大丈夫』



そのたった一言で私の心臓はどんどん安定していく。


やっぱりソルの言葉は魔法の言葉…。


私は口を開き、そっと牙をたて突き刺した。


ソルの濃くて甘い血が少しずつ体に染み渡っていく。


落ち着くようないい香り。



私は牙を優しく引き抜き、ソルの顔を見た。


ソルがあまりにも綺麗な顔で笑うから、私も自然と笑顔になる。