自分から血を吸ってほしいというのは、「愛しています」と言っているのと同じこと。


私たちバンパイアにとって、「愛しています」とただ言葉で伝えるよりも、情熱的な告白の方法だ。


それに、この世界では女性から男性に告白をする習慣がない。


でも、今の私にそんなことはどうでもよかった……。



『本気で言ってるのか?』

「冗談でこんなこと言わないよ」

『婚約者は?』

「婚約者はただの婚約者であって、心を渡すつもりはないわ。私の心だけでもソルの傍に置いておきたいの…」



ソルの目を見つめ笑って見せると、ソルの左手が私の頬に添えられた。


煩かった心臓が余計煩くなる。


私が目を閉じると、ソルが段々と近付いてくる気配がした。


首筋に痛みが走る。


痛みは段々と喜び、そして快楽に変わっていく。


私は嬉しくて涙が零れた。


告白をして、吸血をしてくれるということは、私の気持ちを受け入れてくれたということだから……。