月夜の太陽

「子供をおろして何事もなかったかの様に生活をしようかとも考えたわ…でもッッ…やっぱり出来なかった…罪のない子を自分の身勝手で、殺してッッしまうなんてッ出来なかったのッッッ……」

「少し休みましょう?」

「…まだ、大丈夫…ありがとう……」



お母様が歩く音がした。


恐らく涙を流しながら一生懸命話をしているアリアさんを見ていられず、隣に腰を下ろし落ち着かせようとしているんだろう。



「周りにどんなに反対されようと、主人に愛想をつかされようとッッ私は…子供を生んでたくさんの愛情を注ごうと決めたの」

「たった一人でたくさん悩んで、覚悟を決めて赤ちゃんを生んだのね」

「…主人がッッ『お腹の子は私とアリアの子だ』と言ってくれたの…ッッ二人だけの秘密にしてッッ子供を生もうと…純血だからと言って必ずしも金色の部分があるわけではないから…って……」

『レバンナさんは本当に器の大きな方だな…その言葉を言うことはきっと安易ではなかったはず』



お父様の言う通りだわ…自分の子ではないのに中々そんな事言えない。