月夜の太陽

「その時の私は何もかもがどうでもよくて、少しの間でもいいから家柄も立場も全てを忘れてただの女になりたかった……」

「えぇ」

「…翌朝……目を覚ますと彼は既に居なくて、私の居場所も直ぐにバレてしまったの…飛び出した私を迎えに来てくれたのはッッ…主人だった」



レバンナさんは結婚する前から本当にアリアさんの事を愛していたんだわ。



「主人は開口一番に無事で良かったと言ったわ…こんな私に…。主人をしっていくうちにどんどん惹かれて、結婚までは本当に早かったの」

「レバンナさんはいつも真っ直ぐで、誠実な方だもの。それに誰よりもアリアの事を愛しているんだと、私たち周りにも伝わってくる」

「そうね……結婚後に、すぐに妊娠していることが分かった…でも…私と主人はまだ1度も体を重ねたことはなかった……」



話を聞いていてまさかとは思っていたが、頭で想い描いていた話にどんどん近付いていくのが分かり、空気は段々と重たくなっていく。