やっとロナウド様とのダンスから解放され、私はこっそり会場を出た。


外は少し風邪があり、心地よかった。


会場の中は血の臭いと、大人たちの汚い感情で埋め尽くされているから。



「私たちのお祝いなんて、きっと大人たちからしてみたらただのついでね」



でもそれも今年で終わり。


汚い大人たちはさぞ残念に思っていることだろう。


私はお城を抜け出すため、小さい頃こっそり穴をあけた場所へと向かった。


その穴を使うのは久しぶりでまだ空いているかも分からないし、通れるかも分からない。



「良かったぁ~まだ空いてた。でも通れるかな…」



小さい頃は大きく感じていたのに、今見てみるととても小さく見えた。


私は一か八か穴を通ってみるこにした。


地面にうつ伏せになり、ほふく前進するかのように穴に入った。


ちょっときついけど、頑張ったら通れそう。