「おじゃまします。」
「誰もいないからあいさつしなくていいよ。」
女の人は客用のスリッパを出しながら言った。
玄関をぬけるとすぐリビングに入った。
大きなテレビの前にあるソファーに座らせられた。
すると女の人はキッチンで何かしながら
「ココアとコーヒーあるけどどっちがいい?」
と聞いてきた。
「あ、ココア・・・がいいです。」
「おっけー」
「あの・・・名前聞いてもいいですか?」
「山村沙恵(ヤマムラ サエ)だよ。」
「沙恵さん・・・ってゆうんですか。」
すると沙恵さんはマグカップを2つ持ってきながら
「さん付けしなくていいよ。多分、見た目的にタメだと思うし。あなたの名前は?」
と言うと私に1つマグカップを渡した。
「羽生一華です。」
「高1くらいだよね?」
「はい。高1です。」
「やっぱりタメだぁ!!よろしくね。」
「はい」
お互いにココアを飲みながら話した。
「あっ、着替えなきゃだよね!まってて服持ってくるから。」
2階へ行ってしまった沙恵、リビングに1人きりなので少し寂しくなり、まわりを見渡した。
写真などの置物がいろいろなところにあった。
家族写真が多く、写真から仲がいい家族だということが伝わってくる。
階段をおりてくる足音が聞こえ沙恵が再びリビングに戻ってきた。
「はい。着替え。」
「ありがとう。」
そそくさと着替え、ココアを飲み干した。