「・・・・わぁーったよ。」



龍樹は耳たぶを触りながらしぶしぶといった感じに答えた。




「・・・あんた、変なこと考えてない?」







「は?」




あたしは龍樹の目をまっすぐに見据え、



「あんた、なんか隠し事してるとき、いっつも耳たぶ触るもん。」




あ、しまった。という顔をした龍樹。



ほんっと、わかりやすすぎる。




「あーぁ。お前にはかなわねぇや。」


自分の頭をがしがしっとかきむしる龍樹。


「・・・・実はな、蝶藍が黒狼に戦争を仕掛けるらしいんだ。」



「「は・・・?」」



あたしと理沙は、同時に聞き返した。



「・・・んで、俺、情報集めなきゃなんねぇーの。」



はぁ、と深いため息をつく龍樹。



ため息をつきたいのはあたしのほうだ。




「なんでそんな役についたの?あんたは。馬鹿じゃない?」



「ほんとほんと。命おとすよー?あんた。」




理沙は、黒狼の傘下の白楼に入っている。



いわば、黒狼のためにつくられたチーム。





白楼は蝶藍の傘下の鬼蘭と対立している。






「・・・・俺、黒狼にはいろうかな。」




「今更遅いっつーの。」