「耳。あんたがしてるピアス。それと、女顔」




ふっ、と鼻で笑いやがった。



俺がしているこのピアスは、黒狼の総長だけがつけることのできる代々伝わるピアスだ。


そのピアスのことを知っているのは、黒狼の奴らだけ。



「・・・・なにもんだ。」



「さぁ?何者でしょー?」



少女は俺の目をまっすぐに見て言った。



「これだけは言っておく。あたしに関わらない方がいいよ。傷つくのはあたしじゃない。あんただからね。忠告したから。」



「・・・・名前は?」



「教えない。いうわけない。ま、せいぜい頑張れ。総長さん」




少女はふっ、と笑い闇に消えていった。




どくん。



どくん。




俺の胸はまだ高鳴っていた。





「・・・・なんなんだ・・・あいつは。」